どーも、友人からは時折道交法警察なんて呼ばれることもあります
二の舞です
文句をいうなら根拠くらいは知らにゃならん
ってことで気がついたら道交法について少しわかる程度になっただけなんですがね
そんな僕が長らく訴え続けていることが、最近TLを賑わせていました。
きっかけはあきばっくすさん (@akibax)のこのツィート
最近、商業自転車メディアで停止の信号を画像のように「背中でパー」と教える雑誌やサイト記事が多くて閉口している。道路交通法では停止の手信号を「手を斜め下に」と定めているので、クルマにはそれしか伝わらないと思う。「自転車の停止手信号は道交法準拠で」というコミュニティを作りたい。 pic.twitter.com/Us6E0k7gaf— あきばっくす (@akibax) 2017年5月8日
ハンドサインの件、協会とかメディアがちゃんとやらないなら、ロングライダースの別冊で取り上げようかな、と。— あきばっくす (@akibax) 2017年5月8日
・無理に出さなくていい
・対車用、仲間用を使い分ける
・一番使うのは「右折」サイン
・それは停車車両を右に避ける時に必要。振り返り確認、時には停止も
という感じで。
自転車乗りなら必ず通り、いつも議題に上がる手信号問題です。
これについて、あくまで僕の私感ですがしばしお付き合いください。
幾つものローカルサインと3つだけの法的サイン
手信号については道路交通法で示されているものがあります。手信号の方法
右折・右方向への進路変更
右腕を右方向に水平に伸ばす。
または、左腕を左方向に伸ばし、肘から先を垂直に上に向ける。左折・左方向への進路変更
左腕を左方向に水平に伸ばす。
または、右腕を右方向に伸ばし、肘から先を垂直に上に向ける。徐行・停止
右腕または左腕を、斜め下に伸ばす。。
[引用元:http://law.jablaw.org/br_sign]
いわゆる「ウィンカー」と「ブレーキランプ」の代替となるものが定められていると思えば問題ないはずです。
これが道交法で定められた、公道上で使用すべき車両共通の手信号になります。
それに加えて、自転車乗りの間で使われる幾つかのローカルサインがあります。
下記はその一部になります。
- 停止「背中でパー」
- 減速「背中でグーパー」
- 右に進路変更「左手を背中で右に振る」
- 左に進路変更「右手を背中で左に振る」
- 右折・右方向への進路変更「手を右斜下に伸ばす」
- 左折・左方向への進路変更「手を左斜下に伸ばす」
既に道路交通法で定められている意味のものや、道路交通法で定められている動作の物があるのです。
何が問題か(僕の考え)
ローカルサインそのものはさほど問題視しておりません。が、問題となるは「道交法の手信号と同動作異意味の手信号」と「道交法と意味の重複する手信号」になります。特に僕が問題視しているのは「道交法の手信号と同動作異意味の手信号」です。
一例としては「手を斜め下に伸ばす」というもの。
これは前述の通り道交法上は「徐行・停止」のサインになります。
ですが、人によっては「右手を斜め下に伸ばす」動作を「右折・右方向への進路変更」という意味で使用するのです。
これは、非常に危ない行為です。
例えば、路駐車両を避ける為に車線右寄りに出る時、自転車の運転手の認識では後続の車両にたいして
「右によります」
という意識で手信号を出しています。
しかし後続の車両からは
「この自転車は停止しようとしている」
と見えるわけです。
状況によっては「路駐車両の手前で停まろうとしている」と認識され、後続車は自転車分の安全マージンは取らなくなる可能性があります。
これはあくまで一例ですが、手信号は自転車乗りだけではなく、他の車両からも見られています。
他の車両は車道通行時に免許が必要なものがほとんどです。
もちろん免許取得時には手信号を習います。しかし、他の車輌の運転手が学ぶのは、道交法に定められた車両共通の3つの手信号になります。
自転車にも乗る一部の運転手を除けばローカルサインは知らない可能性が高く、知らなければ当たり前ですが通じないのです。
何が正しいか(僕の考え)
「何が」もなく、公道上で行うのであれば道路交通法に定められた車両共通の手信号です。手信号は仲間内で通じればいいと思う人もいるかもしれませんが、公道上であれば自転車以外の車両からも見られていることを忘れてはいけません。
ただし、あくまで公道上の話でレース中や公道外であれば、ローカルサインを使用することは問題ないです。
また、ローカルサインにおいても、道路交通法に定められていない意味及び動作のものであれば安全上問題ない限りで使用することは問題はないと思っています。
メディアの功罪
手信号に関しては、各種メディアで覚える人も少なくないと思います。これまでも新聞、雑誌、テレビ、最近ではオウンドメディア等いろいろな媒体でローカルサインが紹介され続けてきました。
メディアやイベントにおいて、自転車の有識者と言われる人たちが、ローカルサインを紹介されてきましたし、今も紹介し続けて居る方も居ます。
海外経験のある選手等が海外のチームで使われているハンドサインを輸入し日本で広めている事をよく目にします。
それを、メディアが検証せずこれは良いものだと紹介し続けてきた歴史があります。
そして、メディアや有識者が言えば正しいと思ってしまう事は消して少なくありません。
もちろん、安全のため手信号を広めたいという意図があったものと思います。が、それでも道交法違反を進めるような記事を上げ続けるのはやめてもらいたいと思います。
ちなみに、僕は以前FRAME様というオウンドメディアに載っていた手信号の記事に異論を唱えたことがあります。
掲載当時は無視され、オウンドメディアとはいえメディアを自称する媒体の姿勢に疑問を持った時期もありましたが、現在では今の編集長様よりご連絡をいただき記事の取り下げを含む対応をしていただけました。
尚、産経デジタルの「Cyclist」の見解は以下の通りだそうです。
そう言えば以前に産経デジタルの「Cyclist」編集部に「自転車の背中でパーの停止信号」についてメールで問い合わせたところ、だいたい以下のようなお返事をいただきました。— あきばっくす (@akibax) 2017年5月8日
「道交法に基づく手信号を道路上で見かけることはほぼありません」という見解でした。 pic.twitter.com/pAfiFekmrR
僕達が考えなければならないこと
「普段は一緒に走らない人とは走る時は事前に手信号を確認しよう」とよく言われます。わかります。もちろんローカルサインもあるので意思疎通をスムーズにするのには大事なことです。
ですが、基本的な手信号まで事前に確認する必要がある状況というのは良い状況ではないと思います。
自転車は免許の要らない乗り物です。
それ故に、各自で調べたり、分からない人には教えなければいけないことがあります。
その時に、一度考えてみてください。
免許を持っている人なら車両共通の手信号は知っているはずです。
原付免許取るときにだって覚えるはずです。
この手信号は小学校の交通教室でだって習います。
貴方の使っている手信号、貴方と一緒に走っている人の手信号、貴方の隣の人が教えている手信号、使用する手信号は、本当にそれでいいですか?一度見直してみませんか?
これは手信号に限ったことではなく、各種走行時のルールについても同様と思います。
最後にこれだけは言いたいこと
手信号を出せば安全というものではない!
この話になると必ず出るのが、「手信号をだせば安全なのか」という意見です。結論から言えば安全ではないです。
突然右折サインを出せばその手が後続車にぶつかることもあるかもしれません。
進路変更に手信号を出しても後続車がこちらを避けてくれるとは限りません。
大切なのは公道を共有している、それぞれがお互いを認識することです。
手信号を出す前には周囲の確認、手信号を出しても必ず振り返り確認。
きちんと周囲の車両の運転手や歩行者とアイコンタクトを取り、お互いが認識していることを確認しながらの運転が必要です。
それこそ自転車にかぎらず歩行時でも自動車運転時でもこれは変わらないはずです。
更に言えば、手信号はハンドル、ブレーキから手を離す行為です。
出さない方が安全であれば出さないほうが正解です。(この辺は安全運転義務との兼ね合いになります)
手信号を出せば安全なのではありません、あくまで安全のための手段として手信号があるという事が前提です。
手信号をだして後ろも確認せず進行方向を変える自転車もよく見ます。
手信号もださず後ろも確認せず進行方向を変える自転車もよく見ます。
どちらも僕には怖くてできません・・・・。
【2017/05/19 追記】
FRAME様がハンドサインについて、FRAME編集部様の現在の見解を新たに記事として公開されましたので追記にはなりますが紹介しておきます。
とても良い記事だと思いますので、ご一読していただければと思います。
ただ、僕が指摘したのは後ろでグーパーよりも罪深い道交法の停止の合図と同じ動作で右折と紹介してた件なんだけどなぁ・・・・
ハンドサインについて考えよう
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